ヴァシュロン・コンスタンタン:オーバーシーズ クロノグラフ【ジュネーブサロン2016新作腕時計】

常に比較対象とされてきたノーチラスやロイヤルオークが、初登場時のデザインに忠実なモデルが現代にまで受け継がれているのに対し、オーバーシーズは222を出発点として、その遺伝子を色濃く残しながらも、今回で3度目の全面刷新となり、かつオーバーシーズと命名されて以来、どちらかと言えばクロノグラフの方が三針モデルよりも目立ってきた印象が強いのがこのコレクションの特徴と言えるでしょう。

ヴァシュロン・コンスタンタン:オーバーシーズ クロノグラフ イメージ04

そして今回の刷新において、オーバーシーズ クロノグラフは三針モデルと同様に、初めてジュネーブシール付きの完全自社設計のマニュファクチュール・ムーブメントを搭載することになりますが、三針モデル以上にメカニカルな魅力が前面に押し出されるクロノグラフにとって、この進化はあまりにも大きいと感じているのは筆者だけではないでしょう。

キャリバー5200 フロントキャリバー5200 バック

今回初登場となったインハウスムーブメント、キャリバー5200は部品点数263、現代的なコラムホイールを司令塔とする垂直クラッチ式クロノグラフ機構を持つ自動巻ムーブメント。

クラシックな魅力を前面に押し出したハーモニーコレクションのクロノグラフが、全面的に水平クラッチを採用していたのに対し、伝統を重んじながらもコンテンポラリーな魅力を押し出したオーバーシーズに垂直クラッチを導入した点には大いに注目すべきでしょう。

近年にヴァシュロンが発表してきた他のクロノグラフ同様に、コラムホイールにマルタ十字があしらわれている他、今回登場したオーバーシーズに共通する22K製の羅針図を象ったローターなど、ジュネーブシール付きムーブメントならではの美観を兼ね備えたこのムーブメントは、その開発に5年の歳月を費やしたと言います。

これはまた、コンペティターであるロイヤルオーク・クロノグラフが、現在も前世代のオーバーシーズと同じフレデリック・ピゲの1185をそのベースとして使い続けているのに対して、大きなアドバンテージを得たと言う事も出来るでしょう。

更にはムーブメントの周囲を軟鉄製インナーリングによって、トランスパレントケースバックからムーブメントを可視化しながらもオーバーシーズ伝統の耐磁性能を付与している点も、今回のオーバーシーズ・コレクション共通の仕様です。