“普通”という言葉に隠された誠実さをアピールするデザイン

携帯電話やスマートフォンを使えば、いつでもどこでも正確な時刻を知ることができる。それにもかかわらず時計を着けるのは、実用品ではなく嗜好品としての価値を見出しているからだ。しかし嗜好品には、その人の趣味やセンスが如実に表れ、印象を大きく左右する要因にもなる。逆に、時計によって印象を演出することも可能ということになる。

だからこそ、ビジネスに使える時計選びは難しい。 ジャンルの違いはあれど、大半の人はビジネスマンであり、仕事を通して多くの人とかかわりをもって生きている。その際に大切なのは、相手からの信頼を得ることだ。そしてそのひとつが自分を誠実に見せることで、それからビジネスが始まることもある。

では、誠実さをアピールするための時計とは? “実用品としての時計”がまだ現役だった時代からしっかりと受け継がれている正統派スタイルを忠実に守る時計にほかならない。すなわち、時刻が読みやすく腕に着けやすいということ。つまり“普通のデザイン”をもっていることだ。

冒頭で語った“見た目が9割”だからといって突飛なデザインを施せば、目立ちはするが押し出しの強い印象を与えてしまう。しかし、良くも悪くも普通のデザインであれば、時計は誰にでもすんなりなじむだろう。一見すると古臭いと感じるかもしれないが、古くても今もなお受け継がれるデザインであるという事実は、普遍的な価値があることの証明でもあり、その変わらぬ安心感が誠実さへと昇華する。